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大下条駐在所Ooshimojo Residential police box

長野県が整備を進めているゼロカーボンモデル駐在所のひとつで、建物の高断熱化、設備の高効率化及び再生可能エネルギーの利用によりZEB・ZEH基準を満たすとともに、県産木材の利用率を70%以上とすることを設計条件としたプロジェクトである。
建設地は長野県の最南端、阿南町の山間地に位置する。今もなお、古くからある集落が残っている地域で、瓦屋根、深い軒、下屋、現しの垂木や野地板、板張りのある民家が集まっている風景は、地味で美しい。そのような風景や気候風土に合った木造建築とZEB・ZEHに関する設備機器や環境技術との融合を設計のコンセプトとしている。
三州いぶし瓦の切妻屋根、根羽杉を用いた焼杉と杉板押縁の外壁、風雨をしのぐ深い軒や下屋を風景に配慮した建築の基本要素としながら、南側に太陽光発電パネルと太陽熱温水器、軒下空間に室外機や電気引込盤を集約配置している。風景と設備機器のどちらかを優先するのではなく、どちらも対等に扱うことを念頭に置き、今ある風景になじむ建築でもあり、機器類の効率や点検に配慮した設備の居場所としての建築にもなっている。

所在地
阿南町
主要用途
駐在所
構造
木造
規模
地上2階
敷地面積
建築面積
延床面積
竣工
2022年