長野市から、白馬、小谷を経由して約2時間。糸魚川にある谷村美術館へ。
村野藤吾氏設計による最晩年の傑作です。外観は、岩やコンクリートのような塊にも見える。40年ほど経過して、雨や風を受けて黒ずんできても、それが自然の表情であり、劣化ではなく必然の美しさでもあるように思える。時間の受け止め方が、明らかに違う。
館内は、彫刻家・澤田政廣氏の仏像が展示されています。
洞窟のような展示空間で、壁や天井にある自然光と蛍光灯で仏像を照らしています。
床と壁の継ぎ目、壁と天井の継ぎ目は境がなくなるよう曲面処理されて空間がぬるっとしたようにつながっています。傾斜した床の効果も相まって、人工物なのに自然の中にいるような体感が得られます。
谷村美術館を巡って、ふと、内藤廣さんの建築を思い出した。なぜかというと、「時間軸」がある建物は、年月を重ねても美しく感じるから。
以前から、自然材料、加工が少ない材料、簡素な材料を使った建築に興味がありましたが、その材料と時間軸を合わせ持つ建築を探究する必要がありそうです。
新たな原動力をもとに、より良い仕事ができるように頑張っていこうと思います!
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